皆さん、こんにちは!ファッションが大好きなあなたへ。
2021年に突然この世を去った私の大好きなデザイナーの一人、ヴァージル・アブローの軌跡を振り返ってみたいと思います。
彼の名前を聞くと、「OFF-WHITE」や「Louis Vuitton」のイメージがすぐに浮かぶ人も多いはず。でも、彼の歩みをじっくり見ていくと、それ以上に深くて、刺激的なストーリーがあるんです。
デザイナー ヴァージル・アブローの軌跡:ストリートからオートクチュールまで
※画像引用 Wikipedia
名前:ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)
生年月日:1980年9月30日
出身地:アメリカ・イリノイ州
建築からファッションへ──異端児のスタート
ヴァージルは1980年、アメリカ・イリノイ州でガーナ系移民の家庭に生まれました。意外なことに、彼のキャリアのスタートはファッションではなく建築。ウィスコンシン大学で土木工学を学び、その後イリノイ工科大学で建築を専攻します。
でも、この工学と建築の視点こそが、のちの彼のデザインにユニークな「構造的美学」をもたらすことになります。普通のデザイナーとは一線を画す、その感性のルーツはここにあるんですね。
カニエ・ウェストとの出会い──運命のターニングポイント
彼の名が世に知られるきっかけとなったのが、カニエ・ウェストとの出会い。2009年、カニエと一緒にFendiでインターンを経験し、彼のクリエイティブ・ディレクター的存在になります。この時期に築かれた感性と人脈が、ヴァージルの次なる一手につながっていきます。
PYREX VISION、そしてOFF-WHITEの誕生と成功
2012年、ヴァージルはストリートウェアブランド「PYREX VISION」を立ち上げ、すぐに注目の的に。そして2013年、より本格的なレーベルとして「OFF-WHITE」を設立。ミラノを拠点に、ラグジュアリーとストリートの間を縦横無尽に行き来するデザインが話題に。
「“quotation marks”」や「ジグザグの矢印」など、グラフィカルでコンセプチュアルなスタイルがファッション界に新風を巻き起こします。ナイキとのコラボ「The Ten」は、スニーカーヘッズの間でも伝説に。

ルイ・ヴィトン メンズ部門 ──黒人初のメンズアーティスティック・ディレクター
2018年、ヴァージルはついにLouis Vuitton メンズ部門のアーティスティック・ディレクターに就任。これは史上初の黒人デザイナーによる就任という歴史的瞬間でした。
初コレクションのランウェイには、親友カニエが感涙するシーンも…。
そのショーではランウェイにレインボーカラーのランウェイを用い、「夢を信じる力」を表現。彼の人生と哲学が詰まっていて、まさに「カルチャーがファッションを塗り替えた瞬間」でした。
ナイキとの伝説的コラボ「The Ten」
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2017年、NIKEとのコラボ「The Ten」を発表。
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エアジョーダン1やエアフォース1など、名作スニーカーを“再構築”。
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スニーカーカルチャーの地位向上に大きく貢献。現在も二次市場で高値を維持。

闘病と早すぎる別れ──2021年、永遠に
そんなヴァージルは、2021年11月、希少がん「心臓血管肉腫」との闘病の末、41歳という若さでこの世を去りました。闘病していることを公にはしていなかったため、突然の訃報に世界中が驚き、そして深く悲しみました。
でも、彼が残したレガシーは今も生きています。OFF-WHITEはもちろん、彼が築いた「多様性」「境界のなさ」「自由な発想」は、次世代のクリエイターに大きなインスピレーションを与え続けています。
最後に──「何者でもなれる」時代を切り拓いた人
ヴァージル・アブローが私たちに教えてくれたのは、「何者でもなれる」ということ。
建築出身でも、黒人でも、アートとファッションの境界を越え、世界のトップに立つことができる。彼の存在そのものが、既存の枠をぶち壊すメッセージでした。
ヴァージルの名言に、こんな言葉があります。
“You can do it too.”
その言葉通り、私たちにも何かを始める勇気をくれる、そんな存在だったと思います。
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